使用する電話の環境

アナログ回線

アナログ信号で音声やデータを送受信する回線で、よく「普通の回線」といっていますが、一般家庭の昔からある1回線のものです。 今はNTTの局から先の公衆電話網はデジタル化されておりますが、一般家庭とNTT間は加入者線と呼びアナログのままです。 アナログ回線でのCTIシステムは、電話回線から「CTIアダプタ」でCTI信号を取り出し、パソコンに取込ます。また、本格的なCTIボードをパソコンに差し、取り込む方法もありますが、今では少なくなっております。アナログ回線では、NTTとの契約でナンバーディスプレイ契約をしないとCTI信号が受けられません。

INS回線

INS回線はNTTのサービス名であるINSネットで提供されていますが、デジタル回線の正式名称はISDN(Integrated Services Digital Network:総合デジタル通信網)といいます。 デジタルの回線で、当時、64,64,128(ロクヨン、ロクヨン、イチニッパ)の宣伝とともにサービスが提供され、64kbpsの通信速度を持ったBチャンネルが2本あり、電話をかけながらインターネットができることが売りでした。また、2本を使い128kbpsの高速通信が行えることも売りでしたが、いまや、128kbpsでは遅く、インターネットでの役目からははずれ、1契約で2回線の電話(通話)ができ、複数回線の場合の受け皿になっています。 INS回線でのCTIシステムは、電話回線からTA(ターミナルアダプタ)等からCTI信号を取り出し、パソコンに取込ます。また、コールセンター等、本格的なCTIシステムではINS64(INSネット64)の上位のINS1500(INSネット1500)に対応したCTIボードをパソコンに差し、対応しておりました。 なお、INS回線からTAを通さず、直接デジタル交換機に接続している場合には、CTI信号の取り出しは、交換機により接続方法が異なります。詳しくは交換機メーカ、設備業者へ問い合わせが必要です。INS回線でのCTIシステムはデジタル回線ですので、NTTとの契約でナンバーディスプレイ契約をしなくても、発信先がデジタル回線(INS回線、携帯電話等)の場合はナンバーディスプレイの表示ができます。発信先がアナログ回線の場合にはナンバーディスプレイの表示はできません。アナログ回線からの対応にはNTTとの契約でナンバーディスプレイ契約が必要です。 ※ISDNは2018年11月30日より新規申込を終了し、2024年に提供を終了すると発表されています。また次の項のADSLも同様に終了の発表があります。

IP電話、光電話

IP電話(Internet Protocol電話)はインターネットの標準的な通信プロトコル(通信手順)を利用したものです。NTTでのサービス名で、フレッツ・ADSL、Bフレッツ等商品化されています。ADSLはメタル線(アナログの電話回線)を使用し、Bフレッツは光ファイバーケーブルを使用しています。 通信(データの送受信)も音声もパケットと呼ばれる小さな単位に分解され、宛先をつけ、インターネット通信網に送り出します。インターネット網のルータにより宛先に届き、受け取ったパケットを再度組み立て元のデータおよび音声に戻します。ADSLでは回線の入り口でスプリッタにより、電話機とデータ(パソコン入力等)に分岐されます。電話機側の信号は基本的にはアナログ電話回線と同じ形式になります。光ファイバーケーブルではOSU:光回線終端装置を介して、直接交換機に、または電話、ISDN信号に変換されます。光ケーブルを利用し、音声の電話対応のものを光電話と呼んでいます。 IP電話、光電話でのCTIシステムは光回線終端装置を介しての信号はISDN信号に変換される場合は、INS回線での方法と同じですが、SIPインタフェースのまま交換機等に取り込みます。詳しくは光回線終端装置メーカ、設備業者へ問い合わせが必要です。
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